【XpatHomes誕生秘話】
代表・宮本亜希子がアメリカで不動産会社を立ち上げたストーリー
そもそものきっかけは...21~25
「それじゃ2年契約じゃなく、60日契約だ!」
大家の言う通りだ。
でも会社のルールだから曲げられない。
時はすでに5月中旬。
交渉は決裂...
コフマン高校区に賃貸物件は
ゼロ(汗
さて、どおする?
MLS(地域の不動産仲介士が所属する協会が運営する物件データベース)を覗いてみるとコフマン高校に売りに出ている物件で、福地さんの家賃で収まりそうなものが3軒見つかった。
「パパ、トムの電話番号ちょうだい!」
随分前、私が不動産資格の勉強を始める前に「物件に投資をしたいと考えているんだ」と言っていた主人のお客さん夫婦のことを思い出した。
「3年賃貸契約を結んでくれる日本から来たばかりの駐在員が入居したい売物件があるんだけど... 」
全然親しくないし、電話だし、私のことをそもそも覚えてるのか不安だった。投資の話もちらっと前に聞いただけだから、声は震えた。
トムは奥さんと一緒にその日のうちに銀行のプリアプルーバル(住宅ローンが下りるという金融機関からの証書) を取り付けて、物件を見に来てくれた。
その夕方すぐにオファーを出したものの、他から来たオファーが受理された直後だった。
気を取り直して次の物件を見に行った。
コフマン学区の1軒屋。
コンドミニアムよりずっといい。
今度こそ取り逃がしのないよう、時短で大家さん候補とテナントさん候補同時の内覧だ。
数回のカウンターオファーを繰り返し最初のオファー提出から5日後の6月6日に契約に入り、
7月19日にクロージングと引き渡し。
福地さんが晴れて『コフマン高校の賃貸物件』に入居したのは、
大家さんが補修とお掃除を済ませた7月26日。
結果、これあって後に会社として組織化することになる『きれいな売り物件に賃貸で住んでみませんか?』をキャッチコピーにした売り物件賃貸転換サービスは産声をあげた。
「メモリアルデーでお休みのところをすみません。」
サムの哺乳瓶をパレードに持って来るのを忘れ、目の前のCVS(チェーンの薬局)に駆け込んだところで携帯が鳴った。
オフィスの立ち上げでひとりホテル暮らしの峰田(仮名)さんは、ミシガンに奥さんと小3にキンダーともう少しで2才になる三人の子供たちがおり、学年を終わらせ7月末でアパートを解約、8月1日でオハイオの住居に入居をしたいということだった。
話を聞くとバスのようなものに乗って、既にいくつかの賃貸物件を何軒も回って見せてもらったという。
「一緒に乗ってる他の駐在の人たちが住む家を我先にと決めていくんですが...
ぴん!と来る家がない上に僕、あぁいうの苦手で....。」
小山商店(当時ソーミルロード沿にあった日本食材店)に貼ってあった私のチラシを見つけて電話をくれたと言う。
正直とても困っているようで、駐在員をマイクロバスに乗っけて賃貸物件周りとは、随分効率的にテナント付けをして行く同業者がいるんだなぁと感心している暇はなさそうだった。
峰田さんの希望するような賃貸物件は皆無。希望よりかなり北東、ワージントンを北上したルイスセンターあたりまで行かないとクライアントプロファイルに記入してくれたような物件はない。
宮本さん、お得意の売り物件賃貸転換でしょ?!
そ、それはそうなんですけど...この時は、今まさにやっと1軒目の福地さんの物件にトムを見つけて、オファーを入れてるところですよ。
他の投資家どころかこの時の私はコロンバスに知ってる人10本の指で収まるんですから...。
どうしたものか考えあぐねてオフィスのキッチンにコーヒーを取りに行くと、ベテラン仲介士が話しかけて来た。
Akiko, I have a great house in Dublin. I know many investors, too!
(亜希子、ダブリンに素晴らしい家を売りに出すよ。不動産投資家だってクライアントに沢山いる。)
彼の預かり物件、立地も峰田さんの希望のダブリン。投資家もたくさん知ってるんだ...
まさに渡りに船じゃん。
この物件には、峰田さんもミシガンの家族も即決!でゴーサインが出た。
...というわけで今回もめでたし、めでたし...となるはずだったが
途中で転けた...
おじさん仲介士の投資家が契約途中で心変わりしてブッチした。
それも、入居しなくちゃ行けない日まで1ヶ月切った7月に入ってから、汗
四面楚歌だよぉ...
でも、本当にそうか?
私に仲介料を払うと約束してくれたクライアントが目の前にいる、
住みたいと言ってくれた物件も見つかった。
あとは、この家を買ってくれる人を見つけるだけじゃない!
できる、できる。
なんとか、なる。
なんとか、しよう。
コールダーを保育園にお迎えに行って帰宅した。
『パパ、お家買って!』
こうして(・_・)、
本当に(@_@;)、
なんとかなった(^_^;)。
(やがてなる)旦那の与信で物件を買ってもらい、2軒目の売り物件賃貸転換は成立した。
峰田さんには随分気苦労を掛けた。でも、それでも返って来たアンケートを見ると、ものすごくこのお家に満足してもらっていることが分かるし、(本帰国した数年後でも一番下の小学校に上がったばかりの男の子は「あの青い家に住みたい」と日本で言ってくれているという。)
正直私としてはヒヤヒヤの場面が幾度もあったけど、そんな時も、ものすごく信頼していてもらっていたこともわかって、万事上手く運んだ。
アンケートには涙が出た。
売り物件は、自分の家として住んでいた住人がお金と時間を掛けてリノベしているので、何もかもやっぱりいい。
やっぱり
喜ばれる綺麗なお家を仲介したい。
長い間賃貸になっていて最低限の修理しかされていない家は、正直、内覧に足を踏み入れるのも嫌になった。

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