【XpatHomes誕生秘話】

代表・宮本亜希子がアメリカで不動産会社を立ち上げたストーリー

そもそものきっかけは...31~35

すると、ものすごく意外な答えが返ってきた。

アジアや中東のお客様の方が多いという。

「母も移民だから、同じ言葉を話さなくても、英語が第二言語同士だと気持ちを分かってくれると喜ばれるの。」

同席していた娘さんが英語でそう補足してくれた。
今は日本人のお客様はあまり多くないらしい。
私が日本人だから、一緒にやってまた増やしていきましょう、ということのようだった。

マネージャーのキースが言った。

“You already have more deals than her now, but we welcome her to our office and will make sure she has computer support.”
(君の実績はもう彼女を追い越している。でも彼女にはこのオフィスに来てもらって、コンピューターのサポートを付けよう。)

※これはバーバラさんが亡くなられてから知った話です。


彼女は昔、アメリカ人のご主人と一緒にオハイオで家を探した際、UAに住みたいと言っているのに、なぜか違う地域の家ばかり案内された経験があったそうです。
その体験がきっかけでリアルターの資格を取り、同じ思いをする人を出さないようにと心に決めて仕事をしてこられたのだと聞きました。

顧客の選別と集中
主体的にビジネスを選ばす、取らざるべきお金を捨てず、目の前のお客さんを全て相手にして行くと辿り着く私の30年後。
もしかしたら、これを伝説のリアルターさんの登場で目の当たりにさせられたのかも知れない。

次々と仲介の問い合わせがEメールで入って来るようになった。 来る問い合わせのほとんどは日本から来た駐在員さんの賃貸物件探しだった。

この時期のオハイオ州ダブリン地域の賃貸物件は皆無に等しかった。あったとしても、私もクライアントさんを連れて入りたいようなところではなかった。

問い合わせて来た方がどんなお家を探しているのかクライアント・プロファイルにご記入頂き、それに沿って売り物件をMLSで検索する。次に出てきた物件を希望の賃貸価格に落とせそうな売却価格で絞り、物件リストをメールで返信する。これだとまだ日本にいる奥さんの意見も聞くことが出来るので、そうしてもらうことを勧めた。お家に長くいるのは奥さんだ。

Happy Wife, Happy Life! (嫁さんご機嫌なら人生バラ色!)

英語にはこんなことわざがある。内見の時もこのことわざを紹介して、キッチンやトイレのシンクなど水回りをしっかり写真を撮って日本の奥さんにメールで送って確認してもらうように頼んだ。

駐在員の賃貸物件探しは、全部ではないがその98%が先に赴任して来た旦那さん(最近は女性の駐在員の方も増えて来ました。)だけで行われる。

中には「音楽をするのでどうしても音を気にしなくて済むフィニッシュのベースメントが欲しいんです。」という凝り性の男性(ちょうど先週2度目の駐在でオハイオに戻っていらした!)もいたが、まずは奥さんからの要望がないかを聞くようにした。

僕に一任です。

という人には特に念を入れて、お家の中でも奥さんの滞留時間が長いキッチン側が明るいとか、女性の視線で見た項目を奥さんと確認してもらうようにお願いした。

駐在して来た旦那さんが心置き無く安心して仕事ができるのは、お家で奥さんが満足して家庭と家族を守ってくれるからだ。

ホンダNSXの生産と、それに伴うサプライヤー企業のオハイオ進出—その大きな流れの中で、私の顧客の選別は自ら選ぶものではなく、向こうからやって来るものへと変わっていった。

「すいません、仮アパートで同室の人も家を探しているみたいで...明日一緒に連れて行ってもいいでしょうか?」

賃貸住宅を探すクライアントさんがクライアントさんを連れて来てくれるので、問い合わせは順調に増えた。ただ、この時期すでにコロンバス地域の不動産市場は活性化していて、売り物件は物凄い勢いで減っていた。

うちがない...

物件は売りに出されると同時に見に行かないと、自分の家探しをしている人からオファーが入り買われてしまう。
賃貸を探しているクライアントさんが売りに出た物件の内覧に間に合って、すぐに入居を決めてくれても、買ってくれる大家さんも物件に内覧に連れて行かなくてはならない。

売れ残っている物件だと時間の余裕はあっても、そもそも売り手が実際の価値以上の額を期待しているから売れ残っている訳で、契約がまとまらない。

メールのやりとり、物件の検索と学区の確認、内覧の予約、借りたい人の内覧、買おうという人の内覧、売り手の仲介士との交渉、契約に入ると家の検査、修理の交渉、ここまで進んだところで賃貸契約を作り、借り手、貸し手両者の調整を行い、物件のクロージングに立ち会い、鍵をもらい、物件引渡し後、入居前の修理や照明設置の手配、etc...4軒くらい平行すると一人だととても手に負えない量の仕事になっていた。 
 
添い寝していた下のサムは夜お腹が空くとまだ目を覚ましてよく泣いた。

キッチンに行って牛乳を哺乳瓶に入れて...一度起こされると追いついていない仕事が気になって眠れず、そのままコンピューターに向かってしまう。 
 
「宮本さん、こんな時間に仕事してたら体が持ちませんよ。少しは休んだほうがいいですよ!」

ものすごい時間に来たメールに、時差ぼけでやはり目が覚めていたクライアントさんから即答が来てびっくりしたこともあった。 
 
「そちらこそ、こんな時間に。時差ぼけですか?笑」 
 
人が大好きなので、クライアントさんと対面している時は楽しかった。体は丈夫だったので病気にはならなかった。 
 
でも精神的にはキツくなって来た。夜サムの泣き声で起こされると、寝ている間も脳はフル回転で仕事をしているのに気づかされる。仕事している頭で目を覚まさせられるともう寝られない。それが厳しかった。 
 
なんだかお金を刷ってるみたいで、つまらなくなって来ちゃった...。こんなことを夫にボヤいたのもこの時期だった。 

You must be really busy with all the work and taking care of family of two boys! 

 
後にReal Producersという取扱総額トップ500のリアルターに無料配布される雑誌の取材を受けた時だった。 
 
仕事と家族の両立は大変じゃない?  

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